訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆「条件なしで話し合う」との安倍発言は拉致を踏まえたもの
西岡力(救う会会長)
NSCに行った時、ハノイの米朝首脳会談で拉致問題が取り上げられたことについて、一定の話を聞くことができました。米朝首脳会談後、家族会が呼ばれて、安倍総理がトランプ大統領が特別機から直接電話してくれたということで中味を聞いていました。トランプ大統領が2回取り上げたということは聞いていましたが、一部報道されていますから話してもいいと思いますが、最初の一対一の会談で取り上げたということです。
しかしあまりかんばしくなく、金正恩氏はなぜ核問題でなく拉致を取り上げるのかというような驚いた顔をしていたという話ですが、それだけではなく、その後の少人数の夕食会でもう一度取り上げた。シンガポールで1回取り上げていますので、トランプ大統領は3回拉致問題を取り上げた。
安倍総理はこういう言い方をしていました。「私の金正恩委員長に対するメッセージをトランプ大統領が伝えてくれた」と。そしてその内容は、「言えません」ということでした。従って具体的な内容は聞いていませんが、「反応や顔つきについてまで詳しく安倍総理に伝えました」という話をNSCで聞きました。
総理は4月に訪米して、トランプ大統領と長時間面会して、その時に詳しく、ハノイで金正恩氏がどういう反応をしたかについて聞いたということを、5月2日付の産経新聞のインタビューで語っています。
拉致問題を解決するために、「条件なしで金正恩委員長と会いたい」と言ったのが5月2日付の産経新聞のインタビューですが、それはハノイでの金正恩氏の反応を受けての話です。
金正恩氏が安倍総理と会った時には、拉致問題を避けて通ることはできないということで、そこで「条件なしで」話し合いをするという強い感触をNSCで受けることができました。
ですから安倍総理にしてみれば至極当然のことで、何か新しいことが起きたとは思っていないのですが、国内では「安倍総理は条件を下げた」、「譲歩している」、「家族会・救う会の運動方針とは違うじゃないですか」という質問を受けましたが、アメリカで聞いた感触からは、そんなことは全く思えませんでした。それについては配布資料にあります。ネットの「iRONNA」というサイトに私が寄稿したものです。ご参考にしてくださればと思います。