訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆2002年には「テロとの戦争」のターゲットになり日本に接近
西岡力(救う会会長)
では2002年はどうか。2002年には小泉訪朝がありました。この時は、金丸訪朝の時と違って拉致が主要議題になりました。拉致が認定されたから議題になったわけではないんです。
1988年3月に、国会で梶山国家公安院長が既に(拉致の疑いが濃厚と)答弁しています。しかし、マスコミは一切報道しなかった。政治家は無視した。外務省は、金丸訪朝の後8回、日朝正常化交渉をしましたが、第3回交渉で、それも梶山答弁で拉致を認定した9人の内、田口八重子さん一人だけについて1回しか取り上げなかった。それは世論がなかったからです。
それで1997年、家族会の人たちが、名前を出して訴えると殺されるかもしれないというギリギリの選択の中で、世論に訴えようという選択をし、小泉訪朝前の5年間、救う会と一緒に活動をして、世論を一定程度作ることに成功したら、小泉訪朝の時は主要議題になりました。
しかしその時、核はどうなのかということが問題になりました。2002年1月、ブッシュ大統領は、「悪の枢軸」演説をした。北朝鮮とイランとイラクは悪魔(イーヴル)だ、と。
演説の原文を読んでみると、ただ北朝鮮が悪いと言ったんじゃないんです。「テロとの戦争」とのターゲットについて話をした。その前年同時多発テロが起きていた。アメリカは「テロとの戦争」を宣言しました。
普通テロというのは警察が扱う犯罪です。警察が扱うということは、相手に人権を認めろと弁護士をつけて三審制で判決を出して死刑にします。しかし、戦争というのはそうじゃない。戦争の場合は戦争の国際法が適用されます。相手を敵と見なせば軍事攻撃をする。