訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆北朝鮮はパキスタンから濃縮ウラニウムを作る技術を教わっていた
西岡力(救う会会長) そしてパキスタンに入った米軍は何をしたか。パキスタンは核保有国なんです。インドとパキスタンの対立関係で、両方が核を持っている。その核技術をまさかアルカイダに出していないだろうな、と。
アメリカにとってはニューヨークで核爆発が起きることを本当に心配したわけです。そこで徹底的に調べた。調べた一人がボルトンさんです。軍縮担当の国務次官でしたから。
パキスタンの核開発の父と呼ばれているカーン博士です。オランダから、濃縮ウラニウムを作るのに必要なベアリングの技術を盗んで帰ってきた。オランダからすると犯罪人ですが、パキスタンからすると英雄です。
ボルトンさんにも、ケリーさんにも聞きましたが、彼らは直接カーン博士に会っています。そしてカーン博士は13回、あるいは16回、北朝鮮を訪問しています。北朝鮮はカーン博士から濃縮ウラニウムを作る技術を教わっていた。
教えた師匠から直接、アメリカは証言を取ったのです。それで「悪の枢軸」演説になった。94年と同じように軍事圧力がかかる。特にアメリカは、94年以上に、「テロとの戦争」の真っただ中で怒っている。北朝鮮は「テロとの戦争」のターゲットにされた。
金正日の立場からすると、濡れ衣だったら、「うちはジュネーブ合意をちゃんと守っています」と言えばいいんですが、本当にアメリカをだましてやっていたんです。そしてパキスタンが寝返った。これは逃れようがない、というのが2002年の状況だったわけです。
私はそう思ったので2002年の夏、一生懸命本を書いていました。北朝鮮問題が大きく動くかもしれない。これを拉致問題解決にどう結び付けるか。94年と同じようにアメリカは軍事的圧力を加えるだろう、と。ところが本を出す前に小泉訪朝になってしまった。
そこで主として書いたのは、以下のことです。
パキスタンの技術が北朝鮮に行っている疑いが強い、それが「悪の枢軸」演説の背景にある。だとするとアメリカは北朝鮮を許さないだろう。かなりのことが起きる。その圧力を拉致解決にどう利用できるか。