訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆アメリカの安全保障優先、拉致切り捨ての危機もあった
西岡力(救う会会長)
94年型になるという恐れもあった。トランプ大統領が自分のディールを優先して、核問題でディールをして、アメリカの安全保障にとって有利なディールかできたのだから日本も拉致問題を我慢して金を出せ、と言われる可能性もゼロではなかった。
6者協議の枠組みでブッシュ政権が核問題の話をしている時、本音ベースで話を聞くと、国務省の人たち等は拉致は話が複雑になりすぎるから、拉致は出さないでくれ、6者協議は核問題の場なんだ、というような一定の圧力があったと、日本の関係者に聞いたことがあります。
表向きはブッシュ大統領はそんなことは言っていなかったですが、そういうことがあった。最終的に、ヒル・ライスのラインがテロ支援国指定を解除してしまった。拉致問題を置き去りにして核問題を進めようとしたんです。
核問題も失敗しましたが、そういうことが起きるかもしれない。アメリカにとって最優先は核問題です。特にアメリカまで届く大陸間弾道弾と核です。トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」と言っている。
しかし、安倍総理はそのことを全部頭に入れた上で、トランプ大統領が就任する前からニューヨークに行って、会って、就任した後繰り返し人間関係を作った。最初のゴルフの時は、カートの中でずっと拉致問題を話したそうです。長い時間話すことができるんです。
トランプ大統領はビジネスマンですから、就任するまで拉致問題は知らなかったと思う。しかし安倍総理が繰り返し話をしたので、自分の口から「13歳の少女」とまで言うようになった。もちろん参謀の中にポッティンジャーさんがいて、ボルトンさんが後から入ったということもあるでしょうが。
そして、強い圧力をかけなければ北朝鮮は話し合いに応じませんと、安倍総理はトランプ大統領を説得したわけです。最高度の圧力路線をとった。一時トランプ大統領は、「習近平の言うことも聞いてみようか、100日間時間をくれと言った。100日ま習近平に任せるから追加制裁はしない」と言っていましたが、その後また核実験が続いたから、強い圧力しかないということになった。
そして今、北朝鮮の輸出の9割がカットされるような強い国連制裁がかかった。アメリカも軍事的圧力をかけたら、去年、北朝鮮は話し合いモードには言ってきた。