訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆日米が一体で北朝鮮に対処する以外に出口はない
西岡力(救う会会長)
逆に安倍総理に対して北朝鮮が疑いを持っているということはあると思います。被害者を返すのは一瞬ですが、ODAは時間がかかる。現金を払うのではないですから。
被害者を取り戻したら安倍総理が突然態度を変えて他のことを言ってくるのではないかと向こうが思わないかどうかです。取引という観点からすれば。その時に、トランプ大統領が保証人なわけです。トランプ大統領が拉致問題を解決しろと、そして国交正常化して安倍が金を出すと言っている。安倍総理はトランプ大統領を裏切るのか。お金が出なければ核の取引きがだめになってしまう。
そこまでは来たという点で、安倍さんの2002年を教訓にした、北朝鮮に圧力をかける、そして出口で核と拉致問題でアメリカと歩調を合わせて解決するという路線は成功している。
94年にはアメリカが核だけで交渉して拉致はほっておかれた。2002年は北朝鮮が、5人を返すだけであとは「死んだ」ということで終わらせようとし、日本は、拉致はほぼほっておいて、核は無視して国交正常化に走った。
だからうまく行かなかった。日米が一体で北朝鮮に対処する以外に出口はない。そのことを一番よく分かっていて、2002年の時ブレーキをかけて日米一体でいくべきだと言い、拉致はテロだから一緒に戦うといった勢力が今安倍総理であり、その時一緒に戦った人たちがボルトンさんたちです。
15、6年かけて作った戦略的な連携が今、政権と政権の間にあるし、だからこそ私たちがアメリカに行った時、同志に会ったような強い歓待を受けるし、励ましも受けるわけです。だからここまではかなりうまく行っているとは思うんですが、結果はまだ出ていないわけです。
戦略的な構えはできた。少し前までは関ヶ原の戦いで勝てるかもしれないと言いましたが、今は勝てる構えができた。北朝鮮に圧力をかけて、外貨を枯渇させるところまできて、そしてちゃんと出口を作って、核を止めろ、拉致被害者を返せ、そうすればお金が行くという出口も作って、それについて日米が一体になって囲いまで作った。
攻め手を作って、負けろということではなく、布陣はできた。ただしこちらにも弱みがあり、横田さんのお父さんは去年の4月から入院中、有本さんのお母さんも心臓の病気で家の中から出られないという状況ですから、あと5年というような単位を私たちは持っていない。
だからと言って、何人かでいいですということはできない。1回しかないチャンスに何人かで終わらすと、残った人たちはまたあと10年かかるかもしれないと思うようなことはできない。安易な譲歩はできない。
家族会事務局長として拓也さんがアメリカでおっしゃいましたが、「全被害者の即時一括帰国」になるまで制裁を緩めないでくれ、支援をしないでほしい、と。これは日本政府に対しても同じことです。