訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆負けない戦いから、勝てる枠組みを作るところまではきた
西岡力(救う会会長)
だからといって我々が要求を下げるわけにはいかない。厳しい状況ですが、ここまでは来た。負けない戦いから、勝てる枠組みを作るところまではきた。これも、民間は民間で、政府は政府で努力した結果、ここまでこれたと思っていますが、最後のところで失敗して、何人かだけで終わりになるようなことは絶対に避けなければならない。
被害者家族の健康のことを考えると、本当に焦る気にはなりますが、この道を行くしかない。圧力を背景にした交渉、そして交渉ではできることと、できないことをはっきり言って、できることは取引をする。
この前、横田滋さんを病院にお見舞いしてきましたが、そこで「あと何か月待ってください」とは言えない。「ここまで来ました。もう少し我慢してください」と申し上げましたが、7月になったらどうなりというところまでは残念ながら言えません。
しかし、「ここまでは来た。この道しかない」と思っていますし、あとは人間としてできることを全力を尽くしてやりながら、神様の力、天の力を待つしかないのではないかと思います。頂上が少し見えるところまで坂を上がってきたのではないかと思っています。最後の詰めは本当に難しいと思いますが、ここまで来た以上絶対に後には引けない。全員を取り戻す。そのために皆さんと頑張っていきたいと思います(拍手)。
【質疑応答】
問 韓国の国内情勢はどうなっているか。
西岡 一昨日韓国でいいことがありました。韓国の中で、「反日民族主義が韓国を滅ぼす」、「韓国の反日は間違いだ。事実関係が間違っている」と言う人たちが出てきて、ソウルの中心で街頭集会をやって、「慰安婦像、労務動員労働者像設置に反対する会」というのができました。日本人は関係なく、韓国人だけの会です。学者とか運動家の人たちが集会をやりました。
その人たちは拉致問題について、「韓国人拉致もある、日本人拉致についても一緒に戦うべきだ」と言っています。そういう人たちが韓国で増えてくれば、日韓関係がよくなると思います。
特に一昨日の集会を主催したのは、どちらかというと保守派の人たちなんですが、その集会で「ああそうなのか」と思ったのは、長く労働運動をやってきた左派の人たちもいて、「今の北朝鮮はおかしい。嘘をつくのはおかしい。自分は30年位労働運動をやってきて進歩派と思ってきたけれども」、韓国では労働運動をやるような人を進歩派と言いますが、「進歩の定義は何かと言うと、人権が保証されることが進歩で北朝鮮は退歩だ、人権が保障されていない」、「その北朝鮮を非難して嘘の反日をやっている今の政権は許せない」と。
そういう人が韓国の左派の中にもいるんです。主体思想派と言われる左派ではなく、純粋なマルクス・レーニン主義の左派ですが、その人たちが公然とマイクを取って言い始めたというのは、今までと違うことかなと思っています。
今政権の中枢に入っている80年代に学生運動をやっていた人たちは、北朝鮮を支持する人たちですから、北朝鮮の人権問題には一切触れない。もちろん日本人拉致問題についても、本音では解決しようという意思はない人たちですから警戒の対象になるのではないかと思いますが、韓国は一枚岩ではなくて、政権と国民大集会は違いますし、政府の中でも、元々北朝鮮問題をやっていた専門家の中には、内心色々なことを考えている人がいるわけです。
以上