救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

佐々江局長が6者協議説明(2007/02/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2007.02.16)

本日、2月16日、拉致対策本部会議室で、6者協議の日本代表である佐々江
賢一郎アジア大洋州局長から、家族会、救う会、調査会が説明を受けた。政府か
らは中山恭子拉致対策本部事務局長など関係者及び外務省関係者も参加した。そ
の他の参加者は以下の通り。

家族会=横田滋代表、飯塚繁雄副代表、増元照明事務局長、有本明弘・嘉代子ご
夫妻
救う会=佐藤勝巳会長、西岡力常任副会長、平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務
局次長
調査会=荒木和博代表、真鍋貞樹専務理事

■佐々江局長が6者協議説明
佐々江局長から以下の説明がなされた。

今回の6者協議では2つの大きなことがあった。
第1に、北朝鮮が非核化に向けた具体的な約束をしたことで、活動停止だけでな
く無力化、つまり使えなくすることまで約束したことである。
第2に、エネルギー支援に日本は加わらないこと、他方日朝交渉開始に北朝鮮が
同意したことである。

合意文書では、次のことが決まった。

60日以内に実施する「初期段階の措置」

(1)北朝鮮
[1]寧辺の核施設(再処理施設を含む)を、最終的に放棄することを目的として活
動停止(shut down)及び封印(seal)する。

[2]すべての必要な監視及び検証を行なうために、IAEA要員を復帰させる。

[3]すべての核計画(抽出プルトニウムを含む)の一覧表について、5者と協議す
る。

(2)経済・エネルギー支援
重油5万トンに相当する緊急エネルギー支援を開始する。(米中ロが実施。拉
致問題を含む日朝関係の現状を踏まえ、わが国は参加せず)

(3)日朝
日朝平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎と
して、国交を正常化するための協議を開始する。(「懸案事項」には、拉致も含
まれる)

(4)米朝
完全な外交関係を目指すための協議、テロ支援国家指定解除のための作業等を
開始する。
日朝、米朝で「開始する」とあるが、今後の道筋は描かれていない。

作業部会の設置
初期段階の措置の実施及び6者会合共同声明の完全な実施のため、共同声明の
要素に対応する次の作業部会を設置し、30日以内に会合を開催する。

[1]朝鮮半島の非核化 (議長:中国)
[2]米朝国交正常化 (議長:米国・北朝鮮)
[3]日朝国交正常化 (議長:日本・北朝鮮)
[4]経済及びエネルギー協力 (議長:韓国)
[5]北東アジアの平和及び安全のメカニズム (議長:ロシア)

日本としては今後北朝鮮と協議し、いつ、どういう形で作業部会を行なうかを
決める予定。日本は、米朝以外の作業部会にも参加する。

初期段階の次の段階における措置は次の通り。

(1)北朝鮮
すべての核計画の完全な申告の提出及びすべての既存の各施設の無能力化等を
行なう。

この「すべての核計画」には、兵器化されたプルトニウムも含むので、核弾頭
や核爆弾も無能力化される。「初期段階の措置」の「活動停止」は再稼動が可能
だが、無能力化すると不可能になる。

(2)エネルギー支援
重油95万トンに相当する規模(上記5万トンと合わせ合計100万トン)を
限度とする経済、エネルギー及び人道支援を供与する。(米中ロが実施。拉致問
題を含む日朝関係に進展が見られるまで、わが国は参加しないことにつき、関係
国は了解)

また「初期段階の措置」が実施された後、6者閣僚会議(外相を想定)を開催
する。

6者協議の中で日朝協議を行なったが、非核化問題と日朝関係について協議し
た。我々は作業部会を開始すべきこと、拉致問題、核・ミサイル問題で合意すべ
きと訴えた。

以上の報告を受け懇談した。

米国の「テロ支援国家指定解除」については、当初、米国の真意が不明であっ
たが、報道によると、安倍首相がブッシュ大統領と電話会談した中で「拉致問題
を置き去りにしない」と明言し、シーファー駐日大使も「当面解除することはな
い」と明言している。この点につき佐々江局長は、「(議論の)土俵に乗せたと
いうことで、(北朝鮮が対応しなければ)はずせない。北朝鮮は拉致問題に米朝
の作業部会でも直面せざるをえない」と述べた。また中山事務局長は、「当初ア
メリカが北朝鮮をテロ国家に指定した時、よど号犯をかくまっていることを理由
にしていた。みなさんの働きかけもあって2004年に拉致問題も理由にあげた。
その経過をアメリカはよく知っているので、拉致問題の解決なくして解除はない
と思う」と述べた。

また、中山事務局長は、「94年の枠組合意とは違うものがやっとできた。北
朝鮮の今後の対応が問題。北朝鮮には、すべての拉致被害者を帰国させないとやっ
ていけないと思わせ、決断させることを迫ることが大切」と述べた。佐々江局長
は「『行動対行動』の原則だから、北朝鮮が行動するような外交的努力をする。
拉致問題への各国の理解が深まったと思う」と述べ、中山事務局長は、「拉致対
策本部は、北朝鮮の今後の対応によってはさらなる措置を考えている。各国との
連携も重要だ」と述べた。

北朝鮮がどうして合意文書のレベルまで降りてきたかについて多くの関心が集
まった。例えば、当初は重油200万トンを要求したが、5万トンまで降りてき
た。第2段階でも計100万トンで1回限り。94年のジュネーブ合意では、
「毎年」重油50万トンと軽水炉45億ドルだった。

これにつき、家族会・救う会からは、[1]これまでの米日の制裁がかなりきいて
いた結果ではないか、[2]これ以上の制裁を避けたかったのではないか、[3]すべて
のプルトニウムを申告してもわずか100万トンの重油では、何らかの密約があ
るのではと疑うくらい降りたことになる、[4]制裁をかけ続けたまま交渉ができた
こともかつてないことで、今後も妥協しない交渉をしてほしい、[5]期間を限定で
きたのがよかった、[6]来日中の中国外相も拉致問題で「協力する」という言葉を
使った、[7]第1段階の重油5万トンは送料込み約20億円で、第2段階の100
万トンを得るには高いハードルを越えなければならない、などの意見があった。




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