救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際会議「北朝鮮による国際的拉致の全貌と解決策」全記録




国際的な圧力が強まるほど、北朝鮮は非人道的行為を認めざるをえなくなる



齋賀富美子・人権担当大使

今日は、主として国連の場で人権問題に取組んできた経験から、国際社会における拉致問題、国際連携という視点からお話をさせていただきます。

拉致問題は、罪のない人間の人生を奪った許しがたい犯罪です。国家という観点からは主権を侵害する深刻な問題です。北朝鮮は「先軍政治」を標榜して、ミサイル発射実験や核実験を行い、益々国際的な孤立を深めています。

6者会合が来週2006年12月18日から開催されます。成果については予断できませんが、日本政府は6者会合でも拉致問題を提起する考えです。北朝鮮という国は、ある意味でわれわれの理解を超えた国であり、このような国との間で拉致問題の解決を促進するためには、国内の強い支持と国際的な連携の強化、粘り強い交渉が不可欠だと考えます。安倍内閣においては、拉致問題を内閣の最重要事項として、その取り組みを強化していますが、国内において拉致問題に関する理解と関心がこれほど深まったのは、ここにおられる家族会、救う会を初めとする多くの方の長年にわたる努力の賜物と考えます。

国際連携という観点からは、これまでも拉致問題の深刻さ、解決の重要さを国際社会に訴えてきておりますが、安倍内閣発足後は、安倍総理、麻生外務大臣自らが先頭に立って、すべての二国間の会談および多国間の会議において、拉致問題解決の重要性を指摘し、各国の協力を求めています。

また、国連の場においては、わが国が国連の議長国としてまとめた安保理決議第1718号があります。北朝鮮による核実験後に採択されたこの決議には、北朝鮮が国際社会の人道上の懸念に対応することの重要性が明記されました。さらにわが国は、EUと共に、国連総会に北朝鮮人権状況決議を提出し、第3委員会では11月にすでに採択されました。(国連総会でも12月に採択された)この決議には、拉致の問題が国際的懸念事項であり、他の主権諸国家の人権を侵害することが明記されています。国際社会が連携して、拉致問題を含め北朝鮮の人権状況の改善を要求するものとして、この決議の意味は非常に重いと考えます。ムンタポーン特別報告者の国連における国連における報告は、北朝鮮の人権状況に関して、国際社会の認識を深め、決議を促進する観点から高く評価されます。

国際世論の喚起における、家族会・救う会のご尽力には、心より敬意を表したいと思います。2006年4月には、横田早紀江さんらが訪米し、アメリカ議会の公聴会で証言をされ、またブッシュ大統領と会われました。良心の心からの訴えが、ブッシュ大統領を含め、多くの人々の心を動かしたことは間違いありません。

また同年10月には、飯塚副代表が増元事務局長とともに、ニューヨークの国連を訪問され、拉致被害者のいる可能性のある国々の代表部を訪問し、会談されたことは、関係国、政府関係者の理解を深め、国連総会第3委員会での決議の採択に非常に有益であったと考えます。

北朝鮮当局は、拉致問題を含め、北朝鮮国内の人権問題に焦点が当たることに神経質になっており、反発を強めています。北朝鮮国民の悲惨な人権状況に関する真実が明らかになればなるほど、国際的な圧力が強まれば強まるほど、北朝鮮は非人道的行為を認めざるをえない状況に追い込まれると信じます。

拉致問題を含む北朝鮮の人権問題は、すでに国際的な問題として認知されていると考えますが、日本政府としては国際社会への働きかけを引き続き強化し、北朝鮮に対して誠意ある対応を強く求めていきたいと考えています。

最後に、本日の会議を通じて、これまで以上に、北朝鮮の人権問題について関心が深まることを祈念し、私自身、本日ご参加の皆様の思いを胸に、人権担当大使として一刻も早い解決に向けて全力をあげたいと思います。
  
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