国際会議「北朝鮮による国際的拉致の全貌と解決策」全記録
さらなる制裁を早急に
増元照明・家族会事務局長
これですべてのパネリストの発言を終わったのですが、一様に北朝鮮に対する圧力を強めていかなれば拉致問題、北朝鮮の人権問題は解決しないという共通の認識を持っていると、私は感じています。同時に来週から始まる六者協議に関して、一度は開かなければならないでしょうが、一度で見極めていただきたい。北朝鮮の今のやり方はブッシュ大統領の任期の2008年まで時間延ばしをするために六者協議に参加しようといている姿勢を1回で見極めて、国連安保理レベルでの制裁、対応を早急に実施していただきたいと思っています。安保理の制裁決議は拘束力がありますので、これを強化して実施していただくことが金正日をして初めて拉致問題、人権問題を考えなければならないところまで追い込んでいくことになるということを分かっていただきたいと思います。
10月に国連に行ったとき、米国のボルトン大使が「ミラーイメージ」とおっしゃったことを印象深く覚えています。善人は、話すときに、相手も鏡に映った自分と同じように善人なんだろうということをイメージしてしまう。相手が悪魔の金正日であっても善人と思ってしまうから、同じような考えを持っている人間として話してしまう。それは違うということを多くの人に知っていただかなければならない。これをミラーイメージと言うそうです。そのミラーイメージを全部払拭して、今回の六者協議に際しても、北朝鮮の金桂冠(六者協議首席代表)の後には金正日がいるということですから、イメージを払拭して対峙していっていただきたいと思います。
先日、李英和さんが、北朝鮮の人民はもう十年以上配給がないものですから、自分たちで食べられるように商売ということを覚えた。今後、北朝鮮では配給がなくても食べていけるだろう。だからどんな制裁が起ころうと餓死者はなかなか出なくなっていくだろう、と言っていました。今現在思っていることは、どうも世界の対応が生ぬるい、まだ幹部クラスには効いていないのではないか、もっと厳しい対応をすべきだということです。
私たちも今、勇気を持ってそのことを言って、さらなる制裁をもって金正日を支える人とたち、金正日本人に反省を促し、最終的には排除していかなければならないのではないかと思っています。