救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

10.松本 孟




みなさんこんにちは。松本京子の兄です。数年前までは私も、この日比谷公会堂で全国集会が開かれる時には、前列に数年間すわっていました。家族の思いというのは、今は政府認定をいただいていますからそれほどではないかもしれませんが、特定失踪者であった時は非常に心の中が重たい、暗い。何とも言いようのない気持ちだろうと、私自身もそうでしたから、いまここにいらっしゃる特定失踪者の家族のみなさんの思いも、私とそんなに違わない苦しい思いで、日々を過ごしておられると思います。
特定失踪者のみなさんというのは、誰も助けてくれないのです。自分でやるしかない。自分で運動し、活動するしかないのです。私は、3年半前に妹が政府から認定され、今日に至っています。私の場合は、県の知事やそういう人たち、最初は片山知事たちが非常に拉致音大に興味をもってくださって、色々な援助もいただき、応援もしていただきました。次の平井知事も片山知事以上に応援をしてくださっています。東京に出かけて、各大臣にお願いもしてくださっています。私たちとしては、本当に心の休まるこんな知事が二代続いたというのは嬉しかったです。そして県の人権局や市の人権課の人たちも非常に熱心に応援をしてくださいます。
認定がある、ないというのは、極端に言いますと天と地がひっくりかえるほど違うということです。特に、拉致をされている家族の方たちでも、特定失踪者の方たちには誰も手を差し伸べてくれないのです。今でも、その日その日の辛さは私にも分かります。
先ほど荒木代表が、「中井先生が、5人、6人の政府認定を」という話がありましたが、そうやって小刻みに認定するのではなくて、特定失踪者の470名の方を一括して認定するのです。中には、国内にいらっしゃる方があるかもわかりません。しかし、あと何年、あと何十年も待たなければいけない特定失踪者の人たちの気持ちを考えると、1年に3人とか5人の認定では、追いつかないのです。待っていられないのです。是非ともここにいらっしゃる皆さんのご声援で、力で、何としても政府認定がとれるようにお力添えをお願いいたします。

西岡 ところがですね、政府はまだ、寺越事件さえも認定していないのです。寺越さんたちは既に家族会に入っておられて、この壇上におられますが、寺越昭男さんにご質問します。お父さんの昭二さんは1963年に、36歳の時に、出漁中に北朝鮮の工作員と出会い、その場で殺された疑いが強いのです。今生きていれば83歳になられます。また一緒の船に乗っていた、弟の外雄さんは24歳で拉致され、北朝鮮で31年間暮らされて55歳で亡くなられました。甥の武志さんは13歳で拉致され、現在60歳です。昭二さんは出稼ぎ漁師で1年に数か月しか家にいなかった。お風呂に息子三人を連れて行って身体を流してもらった。ごつい手で頭をがーっと洗われて痛かった、という思い出を語られていました。拉致であるのが明白なのに寺越事件は未だに認定されていません。
外雄さんは、94年に病死しましたが、現地で帰国在日朝鮮人と結婚して二人の子どもを持たれました。長男の明哲さんが現在39歳くらい、長女の明心さんが現在36歳くらいです。寺越事件が認定されればこの二人は被害者の子弟として、日本政府の保護の対象になります。外雄さんのすぐ上のお兄さんである文雄さんが、この二人の日本国籍確認のために2月に中井大臣に要請をされ、3月には海上保安庁に死亡認定取消し願い等の活動をされています。その現状についてお話ください。



目次
第一部
1.増元照明
2.飯塚繁雄
3.平沼赳夫
4.中井 洽
5.古屋圭司
6.竹内 譲
7.泉田 裕彦
8.深井 明
9.荒木 和博
10.崔 光奭
11.バンジョン・パンジョイ
12.海老原智治
13.上田清司(メッセージ)

第二部
1.増元照明
2.西岡 力
3.横田早紀江
4.横田滋
5.有本明弘
6.飯塚耕一郎
7.平野フミ子
8.市川健一
9.松木信宏
10.松本 孟
11.寺越昭男
12.北野政男
13.横田 滋
14.横田早紀江
15.横田哲也
16.本間 勝
17. 有本嘉代子
18. 市川龍子
19. 斉藤文代
20. 増元照明
  
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